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  • 投稿日:2026.11.4
  • 最終更新日:2026.11.7

【亥子(いのこ)】亥の子餅と護王神社の亥子祭

亥子(いのこ)
亥の子餅と護王神社の亥子祭

行事食を学ぶなかで知った「亥子(いのこ)」。
初めて参加した京都の護王神社の「亥子祭」、亥子について調べる中で知った岡山にゆかりのある歴史上の人物、そして「亥の子餅」について、記録に残しておきたいと思います。

亥子とは

亥子は、
「亥の月、亥の日、亥の刻に餅を食べると病にかからない。」
という中国の民間信仰に由来する行事です。
この風習が日本にも伝わり、平安時代の宮中儀式「御玄猪(おげんちょ)」という儀式で執り行われるようになったと言われています。

亥の月とは、旧暦の10月、現在の11月にあたります。亥の日は年によって変わります。
2026年の亥の月の最初の亥の日は、11月9日です。亥の刻は午後9時から11時とされています。

護王神社の亥子祭へ

京都の護王神社では、平安時代の宮中儀式「御玄猪(おげんちょ)」にならい、昭和35年に民間の神事として「亥子祭」が復活しました。

亥子(いのこ)
亥の子餅と護王神社の亥子祭
亥子(いのこ)
亥の子餅と護王神社の亥子祭

現在は、新暦の11月1日に執り行われています。今年、私は初めて厳かな護王神社の亥子祭に参列しました。
夜に行われる行事のため、見たことのない神社の様子にも感動しました。

なお、亥子の日と護王神社の亥子祭の日は同じとは限りません。
2026年は、亥子祭が新暦11月1日、亥の月の最初の亥の日は11月9日です。

護王神社で行われる御玄猪の儀式

護王神社の拝殿では、穀物を混ぜた餅をつき、神前に献上します。その後、蛤御門を通って御所へ献納されます。

亥子(いのこ)
亥の子餅と護王神社の亥子祭

御所から戻ったあと、改めて臼と杵で餅をつき、亥子囃子をはやしながら、参拝者へ餅が振る舞われます。

亥子(いのこ)
亥の子餅と護王神社の亥子祭

和気清麻呂公と広虫姫、岡山とのゆかり

護王神社には、和気清麻呂公と、その姉君である広虫姫がお祀りされています。

亥子(いのこ)
亥の子餅と護王神社の亥子祭
和気清麻呂と和気広虫姫

足腰の守護神とされる和気清麻呂公(わけのきよまろこう)。
三百頭もの猪に助けられ、足萎えが不思議と治ったという伝承から、猪は「霊猪」として尊ばれ、清麻呂公は足腰の守護神として信仰されてきました。
清廉潔白なお人柄で幾多の災難を除き、平安京の建都に尽力した人物です。

そして、子育ての神様とされる、姉の和気広虫姫(わけのひろむしひめ)。
戦乱によって親を失った多くの子ども達を引き取り、養子として育てた方です。

護王神社の境内の京の昔ばなし「いのしし神社のおはなし」も、興味深く読ませていただきました。
いのししと和気清麻呂公とのかかわりが、わかりやすく書かれています。

亥子(いのこ)
亥の子餅と護王神社の亥子祭
いのしし神社のおはなし

和気清麻呂公と深いかかわりのいのしし。
京都の護王神社の境内には、守り神とされる猪の石像が今も参拝者を迎えています。

亥子(いのこ)
亥の子餅と護王神社の亥子祭
いのしし

「亥子」について調べると、和気清麻呂公と和気広虫姫は、岡山にもゆかりのある方々と知りました。
生誕地が岡山県であり、和気神社でも、和気清麻呂公と和気広虫姫をお祀りしているとのことです。

そこで、2026年の亥の月(11月)に、岡山県和気神社に行ってまいりました。護王神社とおなじく、猪が迎えてくれました。


和気清麻呂公は天平5年(733年)、備前国藤野郡、現在の岡山県和気町にあたる地で生まれました。平安京建都の石上

和気広虫姫も、岡山の地方郡司の娘として采女(うねめ)として宮中に入りました。采女とは、宮中で天皇の食事や身の回りのお世話をした女性です。

岡山と深いつながりがあった和気氏。和気神社でも、和気清麻呂公と和気広虫姫をお祀りしています。

京都の護王神社で亥子祭に参列したことをきっかけに、岡山にゆかりのあるお二人についても思いを寄せることができました。

行事食として伝わる亥の子餅

亥子の行事食は「亥の子餅」です。
亥子の日に食べると病にかからないという民間信仰に由来し、無病息災を願っていただきます。
大豆、小豆、ささげ、胡麻、栗、柿、糖(あめ)の七種類の粉を混ぜた餅生地で餡を包んだものが一般的とされています。
👉亥子 | 行事食年鑑| 一般社団法人 行事食協会

護王神社の儀式では、黒の胡麻、赤の小豆、白の栗、三種の粉を使った亥の子餅が献上されます。

亥子(いのこ)
亥の子餅と護王神社の亥子祭
撮影 kameyo 

私も亥の子餅を購入し、いただきました。
実際に護王神社の儀式で献上されている、京都の「鶴屋吉信」製の「亥の子餅」です。
神社で亥子祭当日に販売されている他、京都駅に隣接している伊勢丹の地下で11月中は購入できるそうです。(2026年11月現在)。

行事食として学んだ亥の子餅を、実際に手に取って味わうことができたのは、とてもありがたく嬉しいことでした。

亥子(いのこ)
亥の子餅と護王神社の亥子祭

邪気を払うといわれる小豆の赤い色の餅生地でこしあんを包んでいます。
やわらかな餅生地と、上品な甘さのこしあんに感激しました。

無病息災とともに、多産である猪にちなんで子孫繁栄を願い、
餅に入ったたくさんの穀物に、秋の実りに感謝していただきました。

最近では、各地で様々な「亥の子餅」が販売されているようですね。地元の和菓子店でも、亥子当日(11月9日)に探してみようとおもいます。

行事に思いを寄せて

これまで、亥子という行事を詳しく知る機会はありませんでした。

行事食を学び、護王神社の亥子祭に参列し、亥の子餅を持ち帰っていただいたことで、学んだことが自分の体験と結びつきました。

健康を願い、秋の収穫に感謝する人々の思いが込められた亥子。
これからも、学んだことや実際に見て感じたことを大切にしながら、ひとつひとつの行事を暮らしのなかで味わっていきたいと思います。

参考資料

・一般社団法人 行事食協会「十一月 亥子」
https://gyojishoku.com/know/seasonal/11_inoko/

・護王神社「祭事案内」
https://www.gooujinja.or.jp/annai/saiji.html

・京都市公式 京都観光Navi「亥子祭(いのこさい)」
https://ja.kyoto.travel/event/single.php?event_id=3739

・和気神社「和気神社について」
https://wake-jinjya.com/about/

・和気神社「御祭神」
https://wake-jinjya.com/enshrined-deity/

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執筆者プロフィール

かめ代。(料理家 亀山 泰子)

家庭料理、行事食、お弁当、囲みごはんなど、毎日の暮らしに寄り添うレシピを提案しています。
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