
今年、行事食を学ぶ中で、あらためて知った「夏越の祓(なごしのはらえ)」。
一年の折り返しとなる頃、半年間の穢れを祓い、残り半年を健やかに過ごせるよう願う行事です。
行事食を学ぶようになってから、季節の迎え方が少しずつ変わってきたように思います。
今年経験したことと、学んだことを、ここに残しておきたいと思います。
目次
夏越の祓とは
「夏越の祓」は、半年の間に身についた罪や穢れを祓い清め、残り半年を健やかに過ごせるよう願う行事です。
「大祓(おおはらえ)」は年に二度行われ、6月の大祓を「夏越の祓」、12月の大祓を「年越の祓」と呼びます。
一年のちょうど半分を過ごしたところで、一度立ち止まり、自分自身を振り返る。
そして心身を清め、新たな気持ちで残り半年を迎える。
昔から続いてきた行事ですが、今の暮らしの中にも、とてもよくなじむ節目のように感じます。
参考:
神社本庁「大祓」
茅の輪をくぐり、無病息災を願う
夏越の祓といえば、大きな「茅の輪(ちのわ)」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
神社によっては、茅や藁を束ねて作った大きな輪が設けられ、その輪をくぐって穢れや災いを祓い、無病息災を願います。

茅の輪をくぐる時には、
「水無月の夏越の祓する人は 千歳の命延ぶというなり」
という古くから伝わる和歌を唱えることもあります。

くぐり方などは神社によって異なることもありますので、その神社の案内に従ってお参りするのが安心です。
人形(ひとかた)に穢れを移して
夏越の祓では、「人形(ひとかた)」と呼ばれる人の形をした紙を使って祓いを行うこともあります。
人形に自分の名前などを書き、息を吹きかけたり体を撫でたりして、自分の穢れを人形に移して祓います。行事食協会では、川や海に流したり、お焚き上げをしたりする形が紹介されています。
私も吉備津神社で、家族の分の人形を納めました。
こうしたひとつひとつの意味を知ってから行うと、同じ行事でも心への残り方が違うように感じます。
行事食の学びを通して、日本古来の行事をひとつひとつ大切にする一年を過ごしています。
行事の日を待ち望み、着々と準備をしてその日を迎える。
今までも、行事については知っているつもりになっていましたが、深く学ぶことで、この美しい日本に暮らす幸せを実感し、日々感謝して過ごしています。
この、なんとも言葉では表せない、心から落ち着き、安らぐ気持ち。本当にありがたく思います。
2026年、夏越の祓へ
6月30日 吉備津神社の大祓式へ
2026年6月30日。
待ち望んでいた夏越の祓の日を迎え、吉備津神社の大祓式へ行ってきました。
お参りをしてから申し込みを済ませ、大祓式が始まるのを待ちました。
この日は一人での参拝です。
大祓式が始まり、吉備津神社でいただいた「茅の輪くぐり和歌三首」を唱えながら、茅の輪をくぐりました。


そして、家族の分の人形を流すという儀式にも参加。
半年間の穢れを祓い清めることができたと思うと、とても心が落ち着きました。


御札やお守りもいただき、自宅に大切にお供えしています。
行事の日を待ち望み、少しずつ準備をして、その日を迎える。
これまで行事について知っているつもりでいましたが、意味を学び、実際に経験することで、季節の節目を迎えることのありがたさを感じています。
待ちわびていた6月30日の夏越の祓を無事に過ごせたことに、心から感謝した一日でした。
8月10日 いつもの阿智神社へ
そして2026年8月(追記)。
週末の散歩コースの倉敷美観地区にある、いつもお参りしている阿智神社へ行ってきました。
真夏の美観地区は、柳の緑が映え、本当に美しいです。毎週訪れても全く飽きません。

阿智神社では、夏越大祓式を地域の夏祭りに合わせて8月に行っています。
当日の大祓式には予定が合わず参加できなかったのですが、今年は8月11日の朝まで茅の輪が設置されていると伺い、参拝しました。


暑い中、いつもの米寿坂 八十八段を歩いて。
息がきれるかと思ったら、今回はいつもより軽やかに上がれた気がして。
いつまでも上がれるように体力作りしようと心に決めた日になりました。

同じ「夏越の祓」でも、行われる時期や形は神社や地域によってさまざま。
阿智神社の茅の輪も見事でした。


今年2回目の「茅の輪くぐり」。
行事食の学びから、和歌、茅の輪のくぐり方も、しっかり把握できていることや、6月30日に吉備津神社で夏越の祓を経験したあとだったからでしょうか。
いつも訪れている神社の風景も、これまでとは少し違って見えました。
知らなかった行事をひとつ知ることで、いつもの神社も全く違って神々しくありがたく思いました。
知識を得ることで、今まで見えなかったものが見えて、気づかなかったことに気づける。
そんなことをうれしく感じた一日でした。
👉 阿智神社「令和8年夏越大祓式」
※阿智神社では例年、8月に夏越大祓式と大茅の輪くぐりが行われています。公式サイトでも夏越大祓式の案内が掲載されています。
夏越の祓の行事食「水無月」
さて、ここからは行事食のお話です。
夏越の祓の行事食として知られているのが、京都を中心に関西で食べられてきた和菓子「水無月(みなづき)」です。

水無月は、白いういろうの上に小豆をのせて蒸し、三角形に切った和菓子。


この三角形は、かつて宮中で暑さをしのぐために用いられた貴重な氷を表しているといわれています。
昔、庶民にとって夏の氷は簡単に手に入るものではありませんでした。そこで氷をかたどった三角形のお菓子を食べ、涼を感じたことが水無月の由来のひとつとされています。
また、小豆の赤い色には邪気を祓う意味があるとされます。
三角形の水無月に暑気払いと厄除けの願いを込め、これから迎える暑い夏を健やかに過ごせるよう願ったのですね。
大好物の「水無月」。家庭でも手軽に作れます。
こちらのおやつの連載レシピでご紹介していますので、よかったらご覧ください。
👉 6月の季節の和菓子「水無月」 | かめ代の素朴な和のおやつ連載 | kameyo 料理家 かめ代。
行事を知って、季節を過ごす
今年、行事食の学びを通して、あらためて心に留めた夏越の祓。
6月30日に吉備津神社へ行き、8月には、いつもお参りしている阿智神社へ。
これまでなら気づかずに通り過ぎていたかもしれない行事が、今年はとても大切な季節の節目になりました。
行事の日を心待ちにし、意味を知り、その日を迎える。
そして、その行事にまつわる食を知る。
行事食を学ぶようになってから、そんな時間そのものを楽しめるようになった気がします。
昔から受け継がれてきた行事を、すべて同じようにすることはできなくても、まずは知ること。
そして、今の自分の暮らしの中で、できることをひとつずつ。
これからも季節の行事を大切にしながら、日々を過ごしていきたいと思います。