こんにちは。料理家の「かめ代。」です。レシピと暮らしのサイト kameyo を運営しています。
お弁当愛好家としても活動を続けており、メディアで紹介したお弁当レシピは800レシピ以上。
2015年5月から、日本最大級“朝のライフスタイルマガジン”「朝時間.jp」にて、「お弁当レッスン」を毎週連載中です。
「もっとキレイにお弁当を詰めたい」
「おかずは作れるけれど、詰めるのにとても時間がかかってしまう」
そう感じたことはありませんか?
今回は、お弁当を「簡単に、キレイに、素早く」詰める方法をご紹介します。
また、見た目の美しさだけでなく、日本の食文化にのっとった詰め方にも触れながら、
お弁当作りをもっと楽しんでいただけるよう、ちょっとしたコツをお伝えします。
目次
詰める前に
「お弁当作りにマストなあしらいもの」3つ
お弁当を詰める際、あしらいものをいくつか常備しておくと、見た目も彩り豊かに、また、味のアクセントや仕切りとしても重宝します。
以下の3つを厳選しました。
① 梅干し
抗菌作用のある梅干しは、お弁当に欠かせません。
お弁当おかずに不足しがちな「酸味」を担当し、「赤色」が白ごはんに映えます。
② 大葉
梅干しと同様、抗菌作用があます。「緑色」が美しく、彩りを加える上、仕切りにも重宝します。
③ 炒りごま
白ごはんの反対色の黒ごまは、お弁当の色合いの助けになり、香りや食感も楽しめます。
隙間埋め食材も、無理せずに市販の「漬け物」や「佃煮」、「煮豆」、「ドライフルーツ」や「ナッツ類」を常備して利用してみてください。
また、手軽で彩りのよいミニトマトを入れる時は、ヘタの部分に雑菌がありますので、ヘタはとって洗ってよく水分をとり、カットせずに入れるのがおすすめです。
詰め方の基本
お弁当を詰める際に大切なことは、「自分のルール」を作りながら、「日本の食文化の基本」を大切にすることです。
一度ルールを決めれば、おかずが変わってもその通りに詰めることで、毎回きれいにお弁当を仕上げることができます。
おかずは3品ときめる
お弁当作りが初めての方や、忙しく時間がない方は、まずはおかずを3品に絞ってみてください。
- 主菜1種(肉や魚、豆腐などのタンパク質がメインのおかず)
- 副菜1種(野菜やきのこ類などのサブのおかず)
- 卵料理(まずは卵焼き)
これに主食(ご飯や麺など)を合わせます。
おかずは自由に増やしても構いませんが、まずは3品から始めてみてください。
この3品を詰めるパターンに慣れれば、おかずが変わっても毎回同じ位置に詰めることができ、見た目が美しくなると同時に、詰めるスピードも上がります。
(定番3品おかず例)
・大葉味噌の肉巻き
・にんじんとピーマンのキンピラ
・卵焼き
慣れてきたら、品数を増やしても良いですが、無理せずおかず3品で、見た目にも栄養的にも十分です。
日本の食文化の基本を大切に
お弁当を縦横どちらの向きで詰めていますか?
私は以前、見た目を重視して縦や斜めに詰めることが多かったのですが、高校生に家庭科を教えていたころ、生徒にお弁当の食べる向きをアンケートしたところ、ほぼ全員が「横向き」で食べることがわかり驚きました。
詰める側がどんな向きで詰めても、食べる側は「横向き」が多いのですね。
横に置いて食べやすいように詰めることが大切だと気づきました。
もちろん、様々な詰め方を楽しむのもお弁当の醍醐味ですが、和食の基本はご飯が左、おかずは右。食べやすい向きが大切です。
曲げわっぱ弁当箱の綴じ目について
もうひとつ覚えていただきたいのが、「曲げわっぱ」弁当箱の扱い方です。
他の弁当箱と異なり、曲げわっぱには「綴じ目」があります。
茶道や日本料理の器の扱いで「丸前角向(まるまえかくむこう)」という言葉があるのをご存じですか?
「丸い形の器は綴じ目が前、四角い形の器は綴じ目が後ろ(向こう側)」にという意味です。
この考え方は、陰陽五行に基づいています。曲げわっぱの弁当箱も、丸型なら綴じ目が前、角型なら綴じ目が後ろに置くことで、食文化の基本を守りながらお弁当を詰めることができます。
このように「綴じ目が前」や「綴じ目が後ろ」という考えが、古来から伝わるということからも、曲げわっぱの弁当箱を縦に置かずに横にして置いて食べるものだということが、改めてわかります。
基本に基づいたお弁当の詰め方心得3つ
日本の食文化の基本に基づいたお弁当の詰め方は以下の3つです。
難しいことは全くありません。
普段の食事通りに。
そして、曲げわっぱを使う時は「まるまえかくむこう」と唱えて!みてください。
- お弁当は横向きで食べやすいよう詰める
- ご飯は左、おかずは右に配置する
- 継ぎ目がある弁当箱は「丸前角向(まるまえかくむこう)」
この3つを覚えておくと、安心してお弁当を詰めることができます。
弁当箱の形状別 詰め方のコツ
それでは、お弁当箱に詰めていきましょう。
持ち運ぶ時におかずが偏らないよう、隙間を作らずにキッチリと詰めるのが大切です。
一般的な、楕円1段、角型1段、丸型2段。3つの弁当箱への詰め方を順にご紹介します。
1段弁当(楕円)
一般的な1段弁当の詰め方です。 楕円の木製わっぱ弁当に詰める例をご紹介します。
① ごはんを斜めに詰める。
ごはんは斜めに、手前にメインの肉巻きをたっぷり詰めれるよう、手前に空間を作るのがコツです。
② 卵焼きを詰める
形のはっきりした卵焼きを奥に。弁当箱の高さとそろうように卵焼きをカットして詰めるとおかずがずれません。ごはんの仕切りに大葉を。
③ 肉巻きを詰める
弁当箱を開けた時にメインのおかずがしっかり見えるよう手前に。ごはんに立てかけるようにしてたっぷりと詰めます。切り口は斜めにカットするとごはんにきれいに沿います。
④ キンピラを詰める
形のはっきりしないサブおかずを、空いた空間を埋めるように詰めます。※しっかり汁気を炒り飛ばしてすりごまをまぶしていますのでそのまま詰めれますが、紙カップに入れてもOK。
⑤ あしらいものをのせる
ご飯の上に梅干しをのせ、いりごまを散らして完成!
1段弁当(角型)
男子中高生向き。大きめのプラスチックの角型にたっぷり詰めます。
角型に詰める時は、最初は角に合うようにキッチリと詰めるときれいに早く詰めることができます。
① ごはんを詰める。
ごはんを左半分に詰める。
② 卵焼きを詰める。
右奥に卵焼きをきれいに並べて詰めます。たっぷり2個分の卵焼きを詰めています。たくさん並べる時は高さを揃えるのがコツ。
③ 肉巻きを詰める。
手前にメインのおかずを。半分にカットした肉巻きを左側にキッチリと詰める。
※ごはんとの仕切りに大葉を。
④ キンピラを詰める
形のはっきりしないサブおかずを、空いた空間を埋めるように詰めます。※しっかり汁気を炒り飛ばしてすりごまをまぶしていますのでそのまま詰めれますが、紙カップに入れてもOK。
⑤ あしらいものをのせる
ご飯の上に梅干しをのせ、いりごまを散らして完成!
2段弁当
ごはんとおかずを分けたい方に。丸型の2段弁当箱に詰めます。角型2段でも同様の手順で詰めることができます。
① ごはんを詰める
2段の時はごはんは別に詰めるのでラクです。広い面ですので高さを揃えると美しいお弁当になります。
②サブおかずを先に詰める
2段弁当は、形のはっきりしなサブおかずを先に奥にたっぷりと詰めるのがコツ。また、丸型弁当箱に卵焼きを詰めるのは隙間ができて難しいので、サイコロにカットするのも可愛いです。
※角型の場合は上記の1段弁当(角型)と同様に入れるとOK!
③ 肉巻きを詰める
大葉を仕切りにして、サブおかずにたてかけるようにして、メインおかずをたっぷり手前に詰めます。
⑤ あしらいものをのせる
ご飯の上に梅干しをのせ、いりごまを散らして完成!
お弁当の敵の対策を万全に
お弁当に大敵なのは、2つ。「温度」と「湿度」です。
① 温度対策
お弁当が傷みやすい温度帯は30~35度。この温度を避けることが重要です。
おかずやごはんはしっかりと冷まし、保冷剤などを利用して「温度」を低く保ちながら持ち運びましょう。
一方で、スープジャーなどを使って「温度」を高く保つ方法も有効です。
② 湿度・汁気対策
お弁当内の「湿度」を下げるためには、水滴や汁気に注意することが大切です。
お弁当の蓋を閉める前に、すべての食材をしっかり冷まして、水滴がたまらないようにしましょう。
おかずの汁気は、すりごまやかつおぶし、乾燥わかめ、海苔などの吸水性のある食材に絡めるなどして、弁当箱内の湿度を調整してください。
隣のおかずに触れることで水分が出るのが心配な場合は、「紙カップ」などで仕切るのも有効ですが、多用すると食べにくくなったり、お子さまやお年寄りが誤って食べて喉に詰まらせることもあります。
なるべく食材自体の汁気を減らす工夫をしましょう。
お弁当レシピの連載を続けています
毎日のお弁当作り。
お弁当生活が長く続く方も多いと思いますので、最初から100%の力で頑張りすぎると、毎日朝から疲れてしまいますよね。
時には手を抜きつつ、無理せず、お弁当作りを楽しんでください。
そして、そんなお弁当生活をされる皆さんを応援したく、私はお弁当のレシピや詰め方の連載を続けています。
皆さんが毎日のお弁当作りをもっと楽しく、もっと簡単にできるように、これからもお手伝いさせていただきます。
ご活用頂けるとうれしいです。
「2品弁当」連載について
2015年5月から10年近く、毎週日曜日の朝にお弁当連載を続けています。
現在のテーマは「忙しい朝でも作れる♪心が楽になる2品弁当」。
作り置きなしで、朝起きて2品作るだけの簡単弁当です。
主菜と副菜の2品で満足できるお弁当をご紹介しています。
お弁当作り初心者の方にも心を楽にしていただきたく、レシピと詰め方を全て画像付きでご紹介しています。
↓「豚の主菜」と「野菜の副菜」の2品弁当の詰め方の例
2品弁当連載では、現在、500レシピ程度掲載しています。
↓こちらの「朝時間..jp」の連載にてご紹介しています。
レシピと詰め方はすべて無料でご覧いただけます。
是非、毎日のお弁当作りにお役立てください。
料理研究家かめ代さんの連載「忙しい朝でも作れる♪心が楽になる2品弁当」- 朝時間.jp (asajikan.jp)
「簡単お弁当レッスン」連載について
2015年5月~2019年8月のお弁当連載のテーマは、
「忙し女子でも作れる!簡単お弁当レッスン」。
今から10年近く前は、家事で忙しいのは、圧倒的に女性の割合が多く、
なんとか女性の負担を減らせないかと考えたテーマです。
こちらの連載では、簡単で作りやすいおかずのレシピと、そのおかずを入れたお弁当の画像を合わせてご紹介しています。
↓「朝時間..jp」にて、こちらの連載の全223レシピのお弁当おかずもすべて無料でご覧いただけます。
毎日のお弁当作りにお役だてください。
朝時間.jp – 手間はかからずに、手軽に栄養のとれるおいしいお弁当の作り方&レシピ (asajikan.jp)
「朝時間.jp」について
私がお弁当の連載をさせていただいている「朝時間.jp」は、日本最大級“朝のライフスタイルマガジンです。
みなさまの朝の時間を大切にし、充実した一日をスタートさせるための情報が満載のサイトです。
お弁当や料理レシピ、朝活アイディア、スキンケアやエクササイズ等のアドバイス他、私も毎日とても楽しみにしています。
私は毎週日曜日にお弁当レシピをお届けしています。
おすすめの弁当箱
弁当箱は、長く使える木製やステンレス製のものを、主に愛用しています。
お召し上がりになる方の年齢や性別、生活活動強度により、お弁当箱の容量は調整してください。
連載で使用している弁当箱をいくつかご紹介します。
連載で使用しているスープジャーは、380mlのものです。
具だくさんの汁物、メイン、麺類、雑炊などにおすすめです。
サイドメニューを追加した2品弁当でご紹介しています。
↓ こちらで弁当箱の選び方と使用している弁当箱を詳しくご紹介しています。
おすすめの卵焼き器
卵焼き器には銅製や鉄製、こびりつきにくい加工が施されたものなど、さまざまな種類がありますが、初心者でも扱いやすく、失敗しにくいステンレス銅コーティングの卵焼き器をご紹介します。
卵1個でふっくらとした美味しい卵焼きを作りたいなら、スリム型の卵焼き器がオススメです。
長年愛用しており、連載やお弁当作りの教室でも重宝しています。
↓ こちらは、私にとって、1人分のお弁当を作る際には欠かせないアイテムです。
また、卵を2個以上使う場合や、流し入れて蒸し焼きにする場合には「蓋付き」の卵焼き器が便利です。
蓋があれば、卵焼きの後に肉や魚をじっくりと焼くこともでき、非常に使い勝手が良いです。
↓ こちらは、蓋の形状や大きさもちょうどよく、愛用しています。
お弁当のレシピ本を出版しています
↓野菜のおかずのレパートリーに悩む方のためのお弁当作りの本です。
前もって「野菜のおかずのもと」を作り、その作り置きを利用して、メインおかずやサブおかず等のお弁当おかずを展開しています。
↓毎日忙しいみなさまや料理初心者の方の本です。
こちらのレシピ本は、作り置きおかずはなし!
食べきりの分量を、朝ササッと作れるおかずをご紹介しています。